PRAY MACENARY
「お嬢ちゃんといい、霧野といい、ウチの女性陣は単機で突っ込んでくのが好きだねぇ。」

舩坂は嫌味無くカラカラと笑う。ナイフを持つ舩坂機の足下にはコクピットを切り裂かれた敵機が転がっている。

土煙の中から出てきた機体を舩坂が仕留めたのだろう。

「舩坂は行かなかったんだ。てっきり舩坂も突っ込んでくかな、って思ったんだけど。」

佐良機が舩坂機に近づきながら無線に応える。

「いやいや、あんな中に突っ込んでくの霧野以外無理だから。」

俺だったら間違えて霧野まで攻撃しちまう。

舩坂はそう言ってまたカラカラ笑った。

「ところで…、その単機で突撃した時生はどこにいるんだ?

こちらのレーダーに映らないんだが。」

問いかけて来るのは白井の声。
佐良は首を傾げながら自機のレーダーを見る。確かに出撃時には反応があった隼時生機の反応がなくなっていた。

敵機に攻撃を加え離脱したところまでは目視した。あの状態から墜とされたということはないだろう。

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