PRAY MACENARY
その室内は大ぶりな裸電球一つで照らされ、その照明の下の華奢なデスクに座る軍人は目を閉じたまま部下の報告に意識を集中させていた。
「バラックより出撃したAM5機は我が方の第二防衛ラインまで侵入。敵本隊はこちらの防衛隊10機を撃墜後、撤退しております。
また、後援隊に先立って出撃していたステルス機能搭載機ゴースト4機が防衛隊から距離1500の地点で全滅しております。
当時現場には敵機反応が無かったことから相手はステルス搭載機かと、防衛隊の戦闘時の通信からみると防衛隊から報告があった飛行タイプの新型機というのがそれにあたるかと思われます。」
部屋の主は部下の報告を聞き、小さく「飛行タイプのステルス機か」と呟いた。
「シバ大尉、撃墜される直前までゴーストから送られてきていた戦闘映像がありますが、ご覧になりますか?」
部下の軍人は小型のモニターをシバに向けながら問うた。
「見よう。敵新型機となればこの先、刃を交わすことになるだろう。」
シバは24、5歳ほどの優男である。しかし、その声には外見からは似つかわしくない威厳と重みに溢れていた。