PRAY MACENARY
「軍曹、貴方はこの映像を見て何か感じぬか？」

シバはモニターを部下に向けてその目を見つめた。

「何か、でありますか？」

意を得ない顔の部下が見つめるモニターには隼に向け射撃を行うゴーストとそれをかいくぐり次々とゴーストを撃墜していく隼。

「この飛行タイプのパイロットが優秀であるということは判りますが…。」

確かに隼は四方から浴びせられる弾丸を苦もなく交わし、反対にゴーストに対してはそれぞれ一発の射撃でしとめている。

これは優秀としか言わざるえないだろう。

「優秀…か。」

シバは部下の回答に満足出来ず、ため息を漏らしながら目蓋を上げた。

「結論から言おう。

このパイロットは優秀などではない。」

そう言い切るシバに部下は怪訝な顔をした。

このレベルのパイロットが優秀でないのなら一体なんであるのか、それに負けた同朋はなんなのか、その顔はそう語っている。

「勘違いしないでもらいたい。決してこのパイロットを下等なパイロット呼ばわりするつもりはない。

無論敗れ去った同朋もだ。彼らは我がIMT連邦が誇る優秀な兵士であった。」
< 117 / 140 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop