PRAY MACENARY
「沈黙は肯定とみなすがいいか?

ASAM連合国軍 第二特殊実験部隊 時生 弥羽少尉」

霧野の言葉にも弥羽は何の言葉も返せない。

ここでAMRSについて認める訳にはいかない。しかしながら、否定はできないだろう。

霧野は転属する際に改竄された自分の本当の所属部隊も知っていた。

弥羽は諦めたように息を吐いた。

霧野の表情は断片的な情報を知っていて鎌を掛けているようなものではない。

弥羽から何か情報を引き出そうとしているのではない。

全ての事を知っていて、ただ昨日の事実確認を弥羽に行っているだけ…。

「異論…ありません。

この度の事態は軍本部からの命令によりAMRSを発動させた結果によるものであります。」

弥羽はただ軍人らしく底の見えぬ上官に向かい、答えた。

「そうであれば今回の件、私からの処分は何もない。

次の戦闘にも通常通り参加してもらう。

ただ、AMRSについてウチのパイロットに向けて説明はしてもらう。舩坂や白井が不審がっている。」

異論は?霧野は弥羽に向かい最後に同意を求めた。

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