PRAY MACENARY
AMRSは機密事項である。一兵士が軽々と公表していいものではない。

しかし、不信感を与えたまま、この前のような事態を起こし、何の説明も処分もなく再び共に戦場に出ることはできないだろう。

「どこでご存知になったかわかりませんが、AMRSは機密事項です。

説明はいたしますが、箝口令…しいていただけますか?」

霧野は弥羽の言葉に表情を変えずに頷く。

「我が社も下請けの民間会社とはいえ、一応は軍属企業だ。

守秘義務くらいはある。」

弥羽は「失礼いたしました。」と、正している背筋をさらに伸ばす。

民間の傭兵会社と侮ったと思われただろうか、との危惧からである。

「いや、気にしなくていい。

それと今の話し方、それは素の話し方か?軍人としての話し方か?」

弥羽は「は?」と一度、言葉を濁すと

「軍人として…であります。素の話し方となりますと普段のもになります。」

と、意図が読めずそう応えた。

「なら、今後、我が社にいる限りはどのような場でも軍人としてではなく、素の話し方でいい。」

霧野はそう言うとゆったりとデスクから立ち上がった。

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