PRAY MACENARY
「状況を説明する。

敵機は一定速度で進行中。10分後には我が社の防衛エリアの最西端、我が国との国境に到達する。

現在確認されている敵機は3機。

目的はこちら側の偵察と思われる。

こちら側の先行する二機は既に国境付近で待機している。

佐良は合流後、舩坂(ふなさか)の指示に従って動いてくれ。」

空中を移動するAMのコクピット内に淡々とした霧野の声が響いていた。

「こちらの作戦目標は?」

心なしか佐良の声色も先程より淡々とした口調になっている。

ズン、と地表に一度着地したかと思うと再びAMは跳び上がる。

狼牙には飛行機能はついていない。今行なっているのはせいぜい数km単位のジャンプである。

「目的…ね。

偵察の阻止。

それ以上の無理はする必要はないわ。

向こうも軽い偵察のつもりだろうから、損害が出る前に撤退することが予想される。」

無理に敵機を破壊する必要はないわ。霧野はそう言って

「他に無ければ通信のチャンネルを二番に。

先行する二機と繋がる。」

と会話をしめた。
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