PRAY MACENARY
「了解。

チャンネルを二番に設定します。」

佐良が通信のチャンネルを変えようとした時、

「あ…………。」

と、少し間の抜けた霧野の声が聞こえた。

「なにか…?」

………………。

「さっきの面接で伝え忘れたことがあるから帰投後、私の部屋に。」


「了解。チャンネルを変更します。」

何故、今?

佐良の顔には軽い疑問が浮かんでいたが、頭を切り替えるように息を吐き、チャンネルを二番に設定した。

ガガ、と数秒雑音がなり、チャンネルが繋がる。

「…だよな。」

「まぁ、仕方ないだろう。」

スピーカーから流れてくる会話。先行している二機のパイロットの会話だろう。

会話の端が聞こえただけだったが、緊張感といったものは感じられない。

「こちら佐良。狼牙改の佐良です。
応答願います。」

佐良はちょうど切れた会話に差し込むように通信を開始した。
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