PRAY MACENARY
それに呼応し、三度回転しそれぞれ数発の弾丸を射出する。

佐良機左腕、ガトリングガンの回転音が止む頃。

敵機からの銃撃は無くなっていた。

「…なかなか、いいんじゃねぇの?」

笑い声を含んだような舩坂の声。

「援護は必要なかったようだな。」

白井は射撃体勢を解いていた。

ふぅ。と緊張から解き放たれ息を吐く佐良機のモニターには撤退する敵機が映っている。

一機は右腕が、一機は頭部が、一機は左腕がそれぞれ欠損していた。

「敵機は撤退開始。

これで…いいですか?」

佐良は射撃体勢を解き、左腕の銃口を地面に向けた。

「上出来も上出来、機体に損害だけ与えて撤退させる。

一番良い結果だよ。」

そう言うと舩坂は可笑しくてたまらないというように笑い始めた。

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