PRAY MACENARY
舩坂の笑い声が響くコクピット内、白井は通信機のチャンネルを設定し、管制室に繋げた。

「こちら白井。

管制。応答を。」

「こちら西嶋です。

どうぞ。」

スピーカーからオペレーターの若い、というよりは最早、幼い声が流れた。

「出撃の報告をする。

防衛線付近にて敵機と接触。佐良の応戦により敵機に損害を与え撃退した。

敵機損害は中破が3。

こちらは損害無し。

これから帰投する。」

報告に対しての、「了解。」という短い返事を確認の後、白井は設定を元に戻した。

スピーカーから聞こえるのは相変わらずの舩坂のバカ笑い。

状況から察するに、舩坂は先程から笑い続け、佐良は意味が解らず黙ったまま、といったところだろう。

「嬉しいんだよ。」

白井は佐良に向けポツリと呟いた。

「…敵機を撤退させたことが…?」

佐良の答えに白井もクスリと笑った。

「いや、今回の新入りのパイロットが長生きできそうだから、嬉しいのさ。」

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