PRAY MACENARY

OFFICER ROOM。霧野はパイロット達が帰投を開始した後、部屋に戻り、軍に提出する戦闘記録を確認していた。

戦闘記録に限らず、書類の作成は事務兼オペレーターの西嶋に任せている。

だから霧野は不備がないか確認するだけなのだが、幸か不幸か西嶋の作る書類にはいつも全くもって不備がない。

正直なところ霧野は意味もなく書類を一読するだけのこの作業に飽々としていた。

書類をめくる音だけが静寂を妨げていた部屋にコンコンと、木製のドアのノックが響く。

「どうぞ。」

その声ともにドアは開かれる。
霧野は書類から目を上げ、来訪者を迎えた。

来訪者はデスクの前までくるとスッと敬礼した。

「佐良、帰投しました。」

パイロットスーツのままの佐良はそう言い終わると敬礼を解き、軽く姿勢を正した。

「初日からの出撃で疲れているところ悪いね。」

「いえ、それで伝え忘れたこととは…?」
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