PRAY MACENARY
「っと、言い忘れる前に言っとく。ルールだ。」

佐良が頭を上げるタイミングで舩坂は人差し指をピッと立て、佐良の前に出した。

「ルール?」

佐良はキョトンとした顔でそれを見つめている。

「そう。ルール。

ここのパイロットの中のルール。」

真面目な顔で話す舩坂を佐良は神妙な面持ちで見ているが、白井は少し呆れたように笑っていた。

「パイロット間の敬語は禁止。

名前も呼び捨て。~さんみたいな呼び方は禁止。」

舩坂はそう言ってズイと佐良に寄った。

「ルールって、それだけ…?」

それだけ、と言いつつも佐良の言葉からはちゃっかり敬語が抜けている。

「それだけって、ルールを破ったら罰ゲームだからなっ。」

そう言う舩坂の顔は相変わらず大真面目だ。

「ちなみに罰ゲームは一つは便所掃除。もう一つは丸腰の機体で偵察にだされる。もちろん単騎で…。」

白井は煙を吐き出しながら佐良に向き直り言った。

「本当にやらせられるから気をつけた方がいい。」

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