PRAY MACENARY

それから約一時間後、三人は基地から車で約30分ほどの距離にある町のバーに来ていた。

バーと言っても小洒落たものではなく、風体は居酒屋の様で、頼めば大抵の料理は出てくるし、料金を払えばホステスやホストも出てくる。

開店当初、ここが何だったのかはわからないが、最早面影はないだろう。

奥まった席に案内された三人の前にはビールがなみなみと注がれた小ぶりのジョッキと軽いツマミが置かれていた。

三人とも見た目は贔屓目に見てもせいぜい17、8歳。
ミクロンの彼らは20歳だろうが30歳だろうが同じ、幼いままの外見であるため見た目で歳を判断できない。

普通の店なら年齢の確認なんかが行われるところだろうが、この店のマスターは「男なら酒くらい飲めなくてどうする」といったタイプの人間であるため、注文すると何の問題もなく三人の前にビールは運ばれていた。

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