PRAY MACENARY
「さ~て。」

待ってましたと言わんばかりに舩坂の目が輝き出し、手がジョッキに伸びていく。

「佐良、酒は飲めるのか?」

白井がジョッキに手を伸ばしながら佐良に目をやる。

「まぁ、ぼちぼちは…。」

二人にならい、佐良もジョッキに手を伸ばす。

「なら良かった。」

そう言って白井は少し安心したように笑った。

「おら、二人で話してねぇで始めるぞ。」

舩坂はそう言いながらジョッキを軽く掲げ、二人もそれに続いた。
「佐良の入社と今日の生還を祝って…。」

カン、と感高い音を響かせて三つのジョッキがぶつかる。

「乾杯。」

三人の声が重なった。

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