PRAY MACENARY
三人が飲みはじめてから二時間後。
三人は三者三様の様相を呈していた。
「飲んでるか~佐良。」
舩坂の声は軽くかすれ、顔も真っ赤になり、大分酔いが進んでいるのがわかる。
「飲んでるよ。僕のことより、舩坂…大丈夫なの?」
佐良は舩坂程ではないが仄かに顔が赤くなり、素面の時よりは言葉使いが乱暴になっている。というよりは今の状態が素なのだろう。
「佐良、なかなか飲める口だな。」
白井はいつもと変わらない様子でビールを口に運びながら、佐良の前にズラリとならんだジョッキを眺めていた。
「はいお待ちどうさん。」
店のマスターがドンとジョッキを二つ、テーブルに置き、佐良の前にあるジョッキの山を器用に鷲掴みにし片付けていく。
「マスター。」
マスターがテーブルから去ろうとした時、舩坂がようやくその存在に気付いたようにマスターを呼び止めた。