PRAY MACENARY
街中が闇に包み込まれ、日付が変わる頃、佐良は薄暗い部屋にいた。
10畳程の部屋には大きなベッドが置かれ、部屋の隅で仄かに灯るランプはおぼろ気にベッドに横たわる二人に影をつけている。
「なんにもしないんだね。
新入りさんは…。」
裸体にシーツのみを巻き付け、ベッドに横たわるアキは少しつまらなそうに笑いながら佐良の頬を指先でつついている。
「なんにもって?話してるじゃない?」
佐良は煙草に火を着けながら問う。その恰好も裸にシーツがかかってあるだけだ。
「話してるって…。
いいの?
しなくて…?」
アキの細い指が佐良の体を誘うようにゆっくりとなぞっていく。
「しなくて…って何を?」
佐良は軽くとぼけた様に首をかしげる。
「何って…。」
呆れた様なアキの声に佐良はクスリと笑った。
「ごめん、ごめん。
冗談。流石にそこまで子供じゃないよ。」