PRAY MACENARY
三章
満月と星だけが闇夜を彩る空。
黒を切り裂くように二機のAMが跳んでいた。
「戦果報告。警戒区域に侵入したガンナータイプと思われる敵機3機に対し狼牙船坂機、狼牙改佐良機で応戦。
二機に小破、一機に大破の損害を与え撃退に成功。此方の損害は無し。
約15分で帰投する。
以上、通信を終わる。」
了解。と、スピーカーから流れる西嶋の応答を確認した後、舩坂は通信機のチャンネルを佐良との通信用に切り替えた。
「う~す。報告終わったぞ。」
先程行なっていた舩坂の報告の通り、舩坂と佐良は前回と同様に偵察におとずれた敵機を退ける為、二機で出撃していた。
前回は白井も含め三機での出撃だったが、それは佐良が戦力として不確定だった為。佐良が身を置く会社バラックではツーマンセルの出撃が基本らしい。
よって今回、白井は一週間振りとなる出撃の機会は与えられず、敵機進行による基地警備という名の留守番が任務である。