PRAY MACENARY
「舩坂…言葉の使い方、間違ってる。

辞書は手元にないが、ニヒリズムも意味が違うだろう。」

落ち着いたトーンで淡々と話すのは先程話題に出ていた白井。

基地警備のために生真面目にAMで待機していたのだ。

通信機の今のチャンネルは西嶋のいる管制には繋がっていないが、味方AM同士ではオープンになっている。

当然、白井は舩坂と佐良の今の会話を聞いていたのだろう。

「それにしても…佐良。

お前が俺と同じ考え方だとは思わなかった。」

白井はコクピット内で、意外そうに眉をしかめている。

「同じ…ではないかな。

白井の考えはなんとなくは分かるけど。

僕はしたいと思わないだけだから。」

そう言う佐良の眼前のモニターには基地が映り始めていた。

「それが分かんねぇんだよ。

だったらなんでキープなんかしたんだよ?」

「確かに、少し理解に苦しむな。」

船坂、白井がそれぞれ、分からないというように声をあげる。
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