PRAY MACENARY
「なんていうか。

安心できたんだ。アキが横にいてくれたら。

多分…愛とか恋とか、そういう感情じゃないんだけどさ。」

佐良はそう言うと少し自嘲気味に笑った。

「分かんねぇな。本格的に…。」

舩坂はため息を吐き出しながら基地に着地するために機体の姿勢を制御する。

「まぁ、人それぞれだろう。」

白井は何かを理解したように軽く頷き、帰還してくる二機をモニターで確認すると自機を回転させ、格納庫に向けて動き出した。

「此方、狼牙舩坂機、帰還する。」

いつの間にか通信のチャンネルを管制と繋げていたようだ。

「狼牙改佐良機、帰還します。」
佐良も舩坂にならい管制に報告をいれる。

「狼牙舩坂機、狼牙改佐良機、了解。おかえりなさい。」

オペレーターの西嶋のホンワリとした年の割には幼い声が二人を迎え入れた。
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