PRAY MACENARY

上空から空気を切り裂き、降下というよりは最早、落下というに相応しい勢いで舩坂機は基地着陸地点へ向かっている。

バーニアの類いを一切オフにした舩坂機は一切、重力に抵抗しないまま地表へと近づく。

コクピット内のモニターには機体の高度が表示され、高度が下がるにつれ、落下の速度を落とすように警告のランプが点滅していた。

高度20m 10m 5m 0m

高度が0mに達した時、着陸地点では地面が揺れ、轟音というに相応しい機械の衝突音が辺りに響いた。

「狼牙舩坂機、帰還。」

真紅の狼牙は片膝をつくような形で着陸していた。


「何やってるの？舩坂？」

モウモウと粉塵をあげながら着陸した舩坂機の横で着地の寸前にバーニアを吹かし、軽やかな音と共に佐良は着地した。

「いや、不意にノーロープバンジーがしたくなってな。」