PRAY MACENARY
「いいじゃん。そんなのど~っちでも。

そんなことよりさ~。舩坂…情けないよね~。

このくらいでダウンしちゃうなんて…さ~。」

弥羽は横目で最早今晩は再起不能な状態に陥っている舩坂に軽い軽蔑の視線を送る。

このくらい、弥羽はそのように言っていたが、テーブルの上に隙間無く並べられ、それでも乗りきらずジョッキの上に更にジョッキを重ねられた状態はシャンパンタワーにも全く引けを取らないほど悠然と立ち尽くし、実際に周りのテーブルの客を圧倒していた。

「本当に…。舩坂~なに寝てんのさ~。」

舩坂をグラグラと揺り起こそうとする佐良。

しかし、揺すられている舩坂は具合悪そうに唸るだけで目を覚ます気配はない。

その様子を二人のペースに着いて行く気もない白井は、その光景を憐れむように眺め、「ザルが二人に増えたな。」とポツリと呟いていた。

< 67 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop