PRAY MACENARY



「どうだった?

新入りのコ…。」

西日の差し込むパイロット用のリビングルーム。

佐良は紫煙をくゆらせながら、ボンヤリと窓から外を眺めている舩坂に尋ねた。

「ん。」

と、佐良の問いに反応した舩坂は「ああ、弥羽ちゃん…ね。」とため息混じりに声を出すと一度、視線を室内へと巡らせた。

室内に佐良と舩坂の二人しかいないのを認識した舩坂は煙草をくわえると火を着けた。

「さっきの出撃の結果は知っての通り…あのお嬢ちゃん一人でやって一機に大破、一機に小破の損害を与えて敵機は撤退。

まぁ、腕はいいんだろうけどな…。」

舩坂はそこで言葉を切り、ため息とともに煙を吐き出した。

「…けど?

なにか問題でもあったの?」

腕はいいんでしょ?とでも言いたげな顔で佐良は舩坂の言葉を促す。

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