PRAY MACENARY
「初出撃って…。」

弥羽はコーヒーをキャッチすると首をかしげながら、少し困ったように笑った。

「アタシ…ここに来る前に軍にいたんだけど…。」

弥羽はAMのパイロットとして軍からの転属という形でバラックに来ている。

つまりバラックに来る前から戦場にいた。

配属先が変わったようなだけのこと…。出撃したくらいどうということもないだろう。

そうは口にしないまでも、視線がそのように語っていた。


数秒の間、二人きりの部屋の中が沈黙が支配し、佐良は少し困ったように笑うと

「まぁ………出撃お疲れさまってとこだよ。」

と、開けっぱなしにしていた扉を閉める。

「ん～、じゃあ、そ～ゆ～ことで。」

ありがと～。と弥羽は缶コーヒーを開け、一口、口に含んだ。


コーヒーに口をつける弥羽を佐良はじっくりと見つめていた。

佐良が弥羽の部屋を訪れた理由。

それは出撃した弥羽を気づかって…ということもはないわけではないが、舩坂が感じたという違和感が気になったというのが一番の理由だろう。
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