PRAY MACENARY

「それで…よろしいのでしょうか。」

「何がです？」

歯切れの悪い部下の言葉に男は首をかしげた。

「情報によれば現在実験体が所属する傭兵会社バラックはAMのみの戦力でも40対5の劣勢にあるとのこと…。

援軍を送らずとも宜しいのでしょうか。」

緊張した面持ちののまま部下は進言する。

その言葉に男は「ああ」と思い出したように頷くと、

「問題ありませんよ。

あそこは地理的にも戦術的にも占領されても影響はありませんし…。

もちろん実験の情報は漏れないようにプロテクトが施されてあります。」

そう言って微笑んだ。

「それでは本当に援軍は…。」

男は部下の言葉をフッと一笑に伏した。

「出しませんよ。

援軍なぞ出したら、実験体がどこまでの性能なのかが正確に計れませんからね。

まぁ、私の期待した通りの性能なら生き延びることができるかもしれません。」