花の咲く頃に



彼は私の言った通り一言も喋らない。


私から話し掛けてもいいものか……。

昨日と同じ事で葛藤していた。


でも私は彼に聞きたい事があった。



「アオイ」

「ん?」

サングラスの顔がこっちを向いた。



「前からこの場所に来ていた?」


昨日、一直線にその窓に向かって行った。

それはまるでこの窓からひまわりが見える事を知っていたかの様に。


私は毎日ここに居るのに、それはおかしいでしょ?



「うん…。前から来てた」




< 14 / 88 >

この作品をシェア

pagetop