花の咲く頃に
彼の表情は大きなサングラスに隠れてよく分からない。
「ここに居ていいの?」
窓のすぐそばに居る彼の事が心配になった。
「大丈夫」
穏やかに話すさまに私の心も落ち着いた。
確かにこの場所は他の場所に比べたら、暗いほう。
「少しくらい大丈夫。昨日だってあんなに居たのに、なんともなってないでしょ?」
そういえばそうだ。
昨日30分もあの窓に張り付いていたのに、今日の彼に変わった様子は見当たらない。
「そう」