花の咲く頃に
「昼間のひまわりが見たかったんだ」
「どうしてそんなにひまわりが好きなの?」
「ひまわりって太陽に向いて咲くって知ってるでしょ?」
「うん」
「憧れなんだ」
太陽という存在は、彼にとってどんな存在なのだろう。
自ら太陽の日の届かない場所に好んで居る私には、到底想像もつかない。
太陽に向かって咲くひまわりの事を憧れだと言う彼。
しかし彼は病の為に太陽の下には立てない。
立てないからこそ、ひまわりに憧れている。
自由を奪っている太陽を嫌いになってもおかしくはないのに。
彼は私とは違うと感じた。
現実から逃げている私とは違って、前向きに生きていると思った。