花の咲く頃に
さくら
「ミオはなんの花が好き?」
今度は逆に質問された。
「私はさくらが好き」
「どうして?」
「私、さくらが満開の時に生まれたらしいの。誕生日には毎年さくらが満開でね、さくらも私の誕生日を祝ってくれている気がするの」
ハッと思って口を片手で押さえる。
気付けばペラペラと語ってしまっていた。
昨日会ったばかりの相手に何を語っているんだ、私は。
彼の顔を見るとニコニコと笑っていた。
「さくらの話もっと聞かせて?」
「うん…」
自分でも気付かないうちに、彼に心を開きかけていた。