花の咲く頃に



「今は言えない」



え?どうして?


「どうしても僕の正体が知りたかったら、今夜もう一度図書館においで」



なんだか怖い。


サングラス越しの視線が私に突き刺さっている気がした。

そんな事は初めてだった。



「考えておく」


「そう。じゃあ僕は一度帰るよ」

そう言って立ち上がった。


「私がもし今夜ここに来なかったらアオイはどうする?」


「……もう美桜とは会わない」



ズキッと胸が痛かった。





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