花の咲く頃に
「僕は、……この星の人間じゃない」
彼を目の前にして疑う事すら出来なかった。
金色の瞳の人間なんていないから。
でも、だからって驚かない事は無理だった。
心臓が信じられない程大きな音を起てている。
立っているのがやっとで、力を抜くと尻餅を着いてしまいそう。
「地球からは見えない、ずっと遠くの星から来た」
言ってしまえばエイリアンだね、と彼が言った。
言っている内容は理解した。
だけど、頭が働かない。
彼の話を聞く事しか出来ない。
その日、私は一言も口に出せずに図書館を後にした。