花の咲く頃に



彼の動きが固まった。

白い頬は少しだけ赤く見える。



「僕、人間じゃないんだよ」

「そんなの関係ない」


「病気なんだよ」

「絶対治る」


「それに───」

まだ何か言おうとする彼の両手をグイッと引っ張って、私は彼にキスをした。

ぶつかる様なキスだった。


「もううるさい」


「ごめん…」



悲しそうな顔をしたあと、彼は私に改めてキスをした。


それはとても優しいキスだった。





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