花の咲く頃に
「だから何」
「分かってるのか!?アイツは私たちとは違うんだぞ!!」
今まで放っておいて何を言ってるの。
今更親づらしないで欲しい。
「響くから大声出さないで」
夏休み中の寮は人気がなく、お父さんの荒げた声は廊下に良く響いた。
それに気付いたお父さんは、すまないと謝った。
「とりあえず中に入って」
それだけで帰るとは思わなかったし、お父さんが今何をしているのかも聞きたかった。
大体想像はつくけれど。