花の咲く頃に



部屋に通すと、お父さんは急に大人しくなった。



女の子らしさの欠片もない殺風景な部屋。

そのせいだろうか。


「こんな事になって美桜には本当にすまないと思っている……」



お母さんが出て行って、一人で生活をするのは無理だと判断した私はお父さんに連絡を取った。


でもお父さんには繋がらず、お父さんの知人が寮の手続きなどの面倒をみてくれた。


お父さんにもお母さんにも捨てられた私は、当時ここでよく泣いていた。





< 38 / 88 >

この作品をシェア

pagetop