花の咲く頃に
「お父さん?」
「滝沢浩史(タキザワヒロシ)」
「……そっか」
彼はふーっと自分を落ち着かせる様に息を吐いた。
「じゃあ、聞いたの?僕の期限」
「あと6日。でも普通は半月で帰るって……。どうして?」
どうしてそんな無茶するの。
「死んでもいいと思ってこの星に来たんだ」
え……?
「帰ったって独りなんだ。だから地球に来るのも自分から志願した」
昼間の彼は、サングラスを掛けていて表情は口元でしか判断出来ない。
その口元は悲しそうに見えた。