花の咲く頃に



私は彼にきつく抱き付いた。


「美桜、苦しっ……」

「自分の命を粗末にしたら駄目っ。今帰ればもっと生きられる。もっと生きれば病気の治療法も見つかって、もっともっと生きられるっ」


「美桜……」


「私は凄く孤独な日々を送っていた。死んでるも同然な毎日だった。でもアオイに会った。」


私は彼の襟首をぐっと掴んだ。


「生きてれば!いい事は必ずある!」


私がそうだった様に。





< 46 / 88 >

この作品をシェア

pagetop