花の咲く頃に
「今日は外に散歩にでも行こうか」
夜、二人で並んで窓からひまわりを眺めていると、彼が突然そう切り出した。
「いいの?」
私は彼は大学から出てはいけないものかと思っていた。
「バレなきゃね」
やっぱり出てはいけないらしい。
「…行こうか」
実は前から彼を連れて行きたいと思っていた場所がある。
彼が歩き出したので、私も後を追った。
何か物足りなさを感じて、彼の手を掴んだ。
振り返った彼はニコッと笑った。
私もつられて笑い返した。