花の咲く頃に
昼食を食べ終えると再び図書館の隅に戻る。
その場に伏せたままにしておいた本を開き、図書館が閉まる時間まで本を読んだ。
図書館の隅は両脇を天井にまで届きそうな本棚に挟まれて、正面に小さな窓が一つあるだけ。
薄暗いこの場所は、真夏でも涼しさを感じさせた。
本棚に置かれている分厚い本たちはあまりに専門の物過ぎて、この場所に人が来た事は一度もない。
人の声や動く音すら聞こえないここは、私にとって秘密基地みたいなものだった。
ただひとつ欠点をあげるとすれば、固い床でお尻が痛い事。