花の咲く頃に
私が彼を連れて来たのは、大学から歩いて15分の場所にあるひまわり畑。
それほど畑の大きさは無いけれど、数十本のひまわりが植えられている。
「凄い…。近くにこんな場所があったんだね」
「喜んでくれた?」
「とっても!」
眼をらんらんと輝かせて、ひまわり畑を夢中で眺めていた。
そして私の手を引き、ひまわりの中を進んだ。
真ん中辺りまで来ると立ち止まり、彼は振り返る。
「本当にありがとう」
そう言って、私を抱き締めた。