花の咲く頃に
分かっている。
彼は沢山のものを抱えている。
その一つに私も含まれている。
さっきの『一緒に帰ろう』という発言も、きっと一事の気の迷いで言った訳ではないと思う。
だから私も彼の気持ちに応えようと、一緒に行く事を決意した。
彼が25歳で死んでしまっても、私が100歳まで生きようとも。
彼が望んだのならば、彼と人生を共にしようと思った。
それでも彼はその願いを口に出して、もう一度呑み込んだ。
今の彼はきっと凄く脆い。
私がしっかりしなければ……。