花の咲く頃に
「約束」
私は黙って頷いた。
胸の痛みは取れないけれど、今ワガママを言ったってしょうがない。
「私からも約束がある」
「何?」
「絶対に、突然いなくならないで」
今までそこに当然の様にいた人が、突然いなくなるのは怖い。
私はそれを二度経験した。
お父さんと、お母さん。
だからもう二度と嫌だ。
「お願い……」
「分かった。約束する」
別れは必ず来る。
だから、『さよなら』を言わせて。
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