花の咲く頃に



彼は私を寮の入口まで送ってくれた。



外は月明かりでそれほど暗くはなかったけれど、照明の前はさすがに明るい。


昼間とは違う顔がはっきりと見える。



「あれ?」

彼の綺麗な金色の瞳が褐色がかって見える。


「何?」



こんな色だった?


確かめる為に彼の顔を覗き込む。



すると、一瞬重なるだけのキスをされた。


びっくりして顔が赤くなる。





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