花の咲く頃に



この場所に座ってどのくらいが経っただろう。


いつもなら彼が来ている時間はすでに過ぎていた。



アオイ……。

何してるの……。



彼がいつも来る方向をただじっと見つめた。



すると一つの人影が見えた。


こちらに向かって歩いてくる。



アオイ、やっと来た。



私は立ち上がり、その人影に近付いた。



けど、近付いて気付く。


あれは、彼ではない。


誰……。





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