花の咲く頃に



私の目の前に来た人物は、目尻を下げて優しく微笑んだ。



「美桜……」

「どうして?……お父さん」



どうしてお父さんがこの場所に来るの。

彼は?アオイはどこ?


私は知らず目に涙が溜まる。



「……彼は、帰った」


お父さんの静かな話し方がやけに耳に残る。



「…どこに?」


「自分の星に」



溜まった涙は引く事を知らず、溢れるのに時間はかからなかった。



約束したのに。

突然いなくならないって。





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