花の咲く頃に



今日だって、そんな普通な日を過ごしていた。


教室の真ん中で、お昼休み後の眠気と戦っていた。


先生の声が子守唄に聞こえる。

ノートをとっている手がミミズの様な字を書く。


あー、もう限界だ。


私は頬杖をつき、目を瞑って寝る体勢に入る。



「……ざ…み…!」


「…きざ…みおー!」


遠くで誰かの声がした。

それとも夢の中の声?



「滝沢美桜ー!」


それは私の名前……。



私の名前!?





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