花の咲く頃に
彼の目の前にたどり着くと、私は彼の存在を確かめる様に右手で彼の頬に触れた。
「身体、大丈夫?」
「うん」
その手に彼が手を添える。
「約束守れなくて、黙って居なくなってごめん」
「ううん。元気でいてくれたらそれでいい」
「美桜……」
彼はそのまま私を引き寄せ、抱き締めた。
「良かった。もう一度会えて」
耳元で聞こえる彼の声が凄く懐かしい。
「生まれ変わってもう一度会おうなんて言ったけど、あんなのただの強がりだから」