僕ときみの秘密な隠れ家






「リン、どうしたの?」



下を向いて恥ずかしそうにしているリン
僕はきょとんとしてそれを見ている。




「…なんか、寂しかった…」



顔を赤くしてそんなことを
言うもんだから僕は心臓の高鳴りを感じた。



僕は持っていた包丁を
置いてリンのところへ歩み寄った。





下を向いているリンを
覗き込むように床に立てひざをついた。




「…リン、あんまりそんなこと
男の人に言うもんじゃないよ。
…特に大人の男には、」



意味がわかってないのか、
今度はリンがきょとんとする



「…襲われちゃうよ…って意味。」



リンの耳のすぐ側でこそっと言う。





僕はリンが顔を赤くするかと思ったが、


「いいよ、襲っても」



と、意外な答えが返ってきた。



内心、びっくりしたが
そこはポーカーフェイスで



「じゃ、夜の楽しみにとっとく。」


とだけ、いっておいた。







< 13 / 85 >

この作品をシェア

pagetop