大好きっ!!

「うわー…不気味…」


あたしでもタジタジの「廃病院」。

なんか本物を見たわけじゃないんだけど、妙に生々しい血の跡とか、手術室の雰囲気がひしひしと伝わってきて、怖い。

あたしの腕にしがみついている雄は顔が真っ青。

あたしも怖いし、不気味だしッ…

さっさとでよッ!!

「雄、歩ける?」

「あぁ…桜音、ごめんな?」

「ううん、かわいいから許す♪」

「~うるせぇ」

「あははー^^」



…忘れてた。


こういう病院ものには「霊安室」があることを。

そうだよね、ないほうがおかしいもんね!

一瞬、あたしまで怖くなった。

でも、これここを通らないと出られないし…っ

「桜音…?」

「ううん、何にもない!いこっ!」

あたしは雄の腕を引いて霊安室を抜けた。

特に、「わぁー!」って出てくることはなかったけど、それが逆に怖い。

なんかすっごく雰囲気が出てたし。

もう行きたくないや、今度から病院ものはやめよう…
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