大好きっ!!

ぎゅっとあたしにしがみついていた雄が離れ少しさみしいあたし。

「…あたしも怖かった…」

「大丈夫大丈夫。あれは人工物だから。」

雄が顔を真っ青にしながら言った。

雄、そんなにヘロヘロになりながらもあたしを心配してくれるなんて。

お化け屋敷に連れて行ったのはあたしなのにね。


ごめんね。


ま、そんなブルーな気分はさておき、あたしたちはとりあえず軽食を取ることにした。

テキトーにお店に入った。

「いらっしゃいませぇ~」

ウエトレイスさんの鼻にかかった声が聞こえた。

「2名様でいらっしゃいますか?」

「はい」

「では、こちらへどぉぞぉ~」

あたしたちは窓の隣の席に案内された。

「ご注文がお決まりでしたらこちらのボタンを押してください♪ではごゆっくり♪」


「何食べよっか?」

「うーん、このクラブサンドイッチセットってよくね?」

「あっ!おいしそうかもっ!」

「じゃ、これ二つでいい?」

「あ、飲み物何にするー?」

「俺は…コーヒー。桜音は?」

「じゃぁねー、オレンジジュース♪」

「お子様か」

「うるさいっ!」

ぴーんぽーん♪

雄がボタンを押した。

ウエトレイスさんがとんできた。

「このクラブサンドセット二つで、ドリンクはコーヒーとオレンジジュース」

「砂糖とミルクはお付けいたしますか?」

「いえ、ブラックで」

「ご注文は以上でしょうか?」

「はい」

「では確認いたします。クラブサンドセット二つ、ドリンクはコーヒーとオレンジジュース。ミルク、砂糖なしでよろしいですか?」

「はい」

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