大好きっ!!
第9章 うそ…桜音が転校…?(雄side)
桜音と婚約できてホントによかった。
桜音のお父さんがどんな人かさえ情報がなかったからどうしたらいいのか分からなくてあのときはホントに怖かった…
お化け屋敷よりずっと怖かった。
もし、あの時お父さん(←いいよな)が許してくれなかったら、桜音を連れ去ってたかもしれないし…
ふぅ。
俺が落ち着いて家でコーヒーをすすっているところに事件は起こった。
plllll…
【着信 桜音】
「!」
俺はすぐさま電話に出た。
いつもと様子が違う桜音にビビった。
「ひっ…く、ゆぅ…っ、あたし、あたしっ…転校する…っんだって…っふぇっ…」
転校!?
俺は言葉を失った。
どうして?どうして…
「落ち着け、桜音。今から行くから。ちょっと出てこれるか?」
「うん…じゃ公園で待ってる…」
公園…か。
俺たちが付き合い始めた場所でもあるな…
そんなことをしみじみ考えながら自転車を走らせた。
桜音はベンチに座りこんで泣いていた。
髪の毛もぼさぼさだし、服もジャージ。
でも、かわいく見えるのは俺が桜音を好きだからだろう。