大好きっ!!

そして無言のまま帰宅した。

どうしたらいいのだろう。


俺は、大好きな人の涙をぬぐうことさえできないのだろうか。


その夜なんと裕真から電話が来た。

「にーちゃん、ねーちゃんすごく泣いてるよ。俺もねーちゃんには笑ってほしいよ。父さんと母さんはねーちゃんに何もしてあげられなくて、申し訳なく想ってる。父さんが〝どうしていきなり…〟って言ってた。」

そっか…苦しいのは桜音や俺、裕真だけじゃない。

お父さんもお母さんも苦しいよな。
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