大好きっ!!
「かーのじょ~行こうよ~」

「いやだっていってるでしょっ!!」

ブスになったほうが…いい。


「えっ!!なんで泣いてんの?」

「なんか、やべえって!みんなこっち見てるよ!?」

「ヤバいヤバいっ!!」

ぱっ、とあたしをつかんでいた手は離れ、男たちは走って行った。

男たちが去ってからもあたしは泣き続けた。

みんなが好奇の目を向けているのも知ってた。

でも、泣きやめなかった。

ふっ、と気がついて時計を見ると9時15分。

あと、もう少しか…

鏡を見ると、ひどい顔…でもなかった。

パパッとその場でメイクを直し、雄が来るのを待った。

せっかく雄が来てくれるのに、湿っぽい顔で迎えるなんてできない。

雄にはいつも笑顔でいてほしい。

少なくともあたしといるときは。

もう一度時計を見た。

9時20分。

目の前を電車が通り過ぎた。

えっ、あれ乗るはずだった電車じゃ…?

雄…まだ…?

また泣きそう。

さっきのナンパ男のいうとおり、すっぽかされた…?
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